純~Love Story~愛
詰所の前を通ると 陸の父親が出てきた。

「こんばんわ。」

挨拶すると 父親は目を真っ赤に充血させていた。

「どうかされたんですか?」

思わず詰め寄った。

「あ いや…こじらせすぎちゃって
反省……今回は本当に俺は 何て親なんだって…
陸は?」

「寝ちゃいました。」

「もう少し早くこれたらいいんだけど
これが限界だな・・・・。」

「私も顔出すようにしますから。」

「ありがとうございます。
アイツはほんと 先生命なんだよね。
助かります……。」

「入院 長引きそうなんですか?」

「あ ちょっと待ってて
陸の顔見て来るよ。待っててここで。」


そう言うと陸の病室に歩いて行った。


しばらくして 父親が出てきた。

「先生 ありがとう。
何かいろいろ用意してくれて。」

「いいえ~陸 寝てました?」

「ぐっすり・・・ありがとうございます。」

父親はそう言って エレベーターのボタンを押した。


「ここじゃなんだから……。」

「あ はい。」


私と年の違わない 陸の父親
この人も一杯抱えてるんだろうな・・・・。
< 121 / 229 >

この作品をシェア

pagetop