純~Love Story~愛
「ところでどうだった試写会。」

「おかあさん試写会行ったんですか?」

思わず声をあげていた。

「おかあさんは やめてよ~~
美月でいいから 美月。」

「あ じゃあ美月さん・・・・。」


ダメだ 私すっかりこの人に乗らされてる。

「行ってきたの~~もしかして蘭ちゃんも?」

「あ いえ・・・私は・・・。」

素直に行ったとは言えない。

「蘭はまだ 佳真に裏切られた痛手から
立ち直ってないんだよな。」

早川が言った。

「あ うん そうかな・・・・。」


「それは許してやって 佳真はずっと夢だったんだもん。
だからねーちゃんたちも 無断で送ったんだから
歯がゆかったんだって 今が旬だろ?って~」

美月が笑った。

「あいつ 美月に気づいた?」

「ステージ降りる時に必死に叫んだら
笑ってた 相変わらずだと思ったけど
何かすっかり遠い人だったの。寂しくなっちゃった。」


美月はそう言うとビールを飲み干した。

そう 遠い人に感じた・・・・。
立っている場所が輝いていて……近づいてはいけない
オーラーがあった……。

佳真を知っている人間は みんなそう思ったのかな。
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