純~Love Story~愛
忙しいのは成功のおかげ
そう思って我慢して……佳真の前では

強がって……だけど 切ないの……。

新しい仕事が決まるたび

「よかったじゃん!!」

「ごめんな なかなか休みがとれなくて」

「ウチのことなら気にしないで
佳真は仕事頑張ってよね。」

「サンキュー待っててよ 絶対絶対
この罪滅ぼしするからさ。」

だってそう言うしかないよ・・・・・
それが佳真の仕事で夢だったんだもん・・・・。


秋のお遊戯会にコッソリ美月さんがやってきた
陸に見つからないように注意して
陸の姿にたまらなくハンカチで涙を拭いてる様子が見えた。


陸が大きな声で台詞を言った。

おかあさん見てくれてるよ陸・・・・。


園児たちが家族で家路につくのを
陸は見送っていた。

「バイバーイ!!!」

陸の父親は結局間に合わなかった。

「おとうさん遅いね。」

「お仕事だからね 仕方ないよ。」
利発な顔をした陸が大人びたように笑った。


「そっか えらいね。ビデオ撮ってあるから
おとうさんに見てもらおうね。」

「うん。」

陸は私の手をギュッと握る。

その横を母親に手をひかれた園児が
楽しそうに歩いて行った。



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