純～Love Story～愛

「後ろ指さされることなんか俺
一つもしてないし……俺の大切な女は
蘭だけだし！！」

「だけど　だけど・・・・
今は　今はよくないよ。
マスコミが二股って言うよ。」

「二股？何言ってんの。
俺がそんなヤツだと思った？」

胸がチクンとした。

「信じてるけど…自信がなかった。
だって佳真の周り綺麗な人ばっかり……
ウチみたいなの　勝てるわけないもん。」

佳真が私のおでこを　軽くデコピンした。

「俺が何年　蘭を想いつづけてきたか知ってる？
別れた後　蘭にとっては過去のオトコに
なってしまったかもしれないけど
俺にとってはずっとずっと忘れたくない人で
また絶対付き合いた人で
そして一生そばにいて欲しい人だった。」


「へ？」

映画のワンシーンのようだった。

「ね　これ今　映画かなんかのセリフの
練習してるの？」

恐る恐る聞いてみた。

「そっちの方が一万倍楽だよ。
もう心臓がバクンバクンして今にも
止まっちゃいそうだ・・・・・。
言った後　死にたくないな……。」

「死ぬなんて言わないでよ……
私だって佳真のいない人生　イヤだもん…。」

佳真は手を取って私を引きずりながら
保護者の横を通って園庭で遊ぶ子供たちの
中央に一緒に立った。