純~Love Story~愛
「ダメだ!!!」

幸せをかみしめる私たちの間に
入ってきて 手を離させようとしているのは
小さな陸だった。

「陸・・・・」

「ダメ 蘭先生 俺の奥さんになるんだ。」

「陸・・・」

佳真と見合った。

佳真はいたずらっぽい表情で私に微笑んだ。


「陸が大人になるまで…
先生待ってたら おばあちゃんになっちゃうよ。」

目線を同じにして 陸の小さな手を握った。

「おばあちゃんでもいいもん。」

「ほんと?」

先生冥利だなって思った。

「こら~~陸~~せっかくの
状況を……ダメよ。」

美月が慌てて走ってきた。

「お 美月!?え?美月の?」

「うん 私の宝物。」

陸を抱き上げた。

「翔くんに 似てる~~~!!」

「でしょ?蘭先生にはお世話になったの。
泣かせたら承知しないから。」

美月さんが 佳真を小突いた。
< 168 / 229 >

この作品をシェア

pagetop