純~Love Story~愛
「傷つかないうちに……きみのためだよ。
うまくいくはずがない。」

悔しかった。
モニカのことがなかったら
もっともっと反論できるのに

私だってわかってる
今は 危険だってことも・・・・・。


「大きな仕事もとれそうなんだ。
Kei という俳優はもっともっと羽ばたく
俺たちはそう信じてる。
今はまだ その時じゃない。」


「残念ですけど 別れるつもりはないです。
そういう葛藤を乗り越えました。
私は 佳真を信じてついていくだけです。
佳真は Kei だけど・・・・
佳真のまっすぐさは きっと 誰にでも
伝わります・・・・。
だから私も彼を信じて 支えられる強い人間になる
そう誓ったんです。」

社長はため息をついた。

「きみはその辺の ミーハーとは
違うようだね・・・・
きみのまっすぐさも 伝わってくるよ・・・。
ただ今は動かない方がいい わかるよね?」

「それはわかってます。
せっかく来たから 少し観光でもして
戻るつもりです。」

私は頭を下げて 部屋を出ようとした。
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