純~Love Story~愛
鬱蒼としたジャングルの中で所々
土砂が滑り落ちていたり 大木が倒れていたりして 
捜索は難航していた。

ヘリを出して上空からも捜索していたけれど

「今日は日没のためにいったん打ち切りますと
連絡が入りました。」

真っ黒に日焼けした Kei のマネージャーの
橋本が無念そうに言った。

私は力が抜けてその場に座り込んでしまいそうだったけど
先に おねえさんが座り込んでしまったから

「大丈夫ですか?」
私は 自分をたてなおした。

「私が…佳真の写真 勝手に送ったりしたから
こんなことになってしまって
佳真になんかあったら私のせいだ……。」

そう言うと泣きだしてしまった。

「おねえさん……泣かないで……。」

私だって泣きそうだけど
涙をごしごし拭くしかない。

「佳真は私に信じてっていつも言ってたから
大丈夫です 絶対に戻ってきます。
約束したんですから・・・・。」

震える声を絞り出した。

「ごめんね 蘭ちゃん
あなたたちを引き裂いちゃったのも私・・・
絶対に戻ってきてもらわないと……
どうやってつぐなっていいかわからない……。」

「おねえさん つぐなうなんて……
私たち最高の再会もしたし 心もしっかり
つながっているから…すごくすごく
今を感謝してるんですよ。
信じましょ……信じるしかないです。」

おねえさんと抱き合って泣いた。
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