純~Love Story~愛
あれから季節は何回変わったのかな……。
胸の奥に大きな傷を残されて

初恋がズタズタに壊れ堕ちて

あれから怖くて恋もできなくなっていた。


突然に終わった恋を まだ
私の中で片づけることができなくて
消極的なまま 新しい恋には踏み込めなかった。


私は高校を卒業して
短大に進んで 幼稚園の先生になった。

初めての子供たちを卒園させて
たったいま 園舎から送り出したところだった。

「先生~~ばいば~い!!」

小さな手が何本も振られて 小さくなっていく
子供たち…いろんな思い出がよぎってきて

私は子供たちが引くくらい号泣だった。

思い出の教室に戻って
出席簿を見ながら 名前を呼んで…
別れという儀式が どんな意味でも
悲しくて辛いと言うのを知った。

「蘭先生 いつまでも泣いてないで
謝恩会もあるからね。切り替えて
おかあさんたちと楽しく飲むんだよ。」

振り返ると園長が立っていた。
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