colorful Mirakuru
カラカラ…コロコロ…
観覧車はユルく揺れる。
「高いところから見る夕日ってキレイですね」
悠真はうっとりと観覧車の中から見る夕日に夢中になっていた。
「……ほんと…キレイですね」
こうやってゆっくりと回る乗り物は時間の流れまでもゆったりして…
まるで異世界に来た錯覚にまで陥ってしまう。

よく 観覧車のなかで告白とか聞くけど…
実際は 自分の気持ちなんて簡単に言えなくて…



ぼくはただ彼女のうっとりと柔らかな横顔を見てるのに精一杯だった。

「あっ! もう終わっちゃいました
案外観覧車って早く終わるものなんですね?」

悠真はあっけらかんとそんな言葉を言う。
ぼくはそんな彼女の言葉に「うん」 と頷き返すしか出来なかった。

< 154 / 248 >

この作品をシェア

pagetop