キャラメル
月
月はオレンジ色に光り、いつもの色とは違う。
『やっぱり満月だよ。』
「……かもな。」
彼の反応が少し冷たい。
街灯は彼の髪を浮きたたせる。
彼の髪は月と同じオレンジ色で、つんつんしてるが、今はぺったんこでカッコ悪い。
「ね、沙希はなんでそう無愛想なの?」
チクン。
刺さった。
まともに刺さった。
『なんでだろう…。』
私だって直したいって思ってる。
だけど…苦手なんだ。
彼は繋いだ手を離し、袋からオレンジの箱を取り出す。
「ん。」
彼は箱から銀紙に包まれた何かを私に渡した。
『なにこれ。』
「お前。」
私は銀紙をあけてみると、
中にはキャラメルが入っていた。