キャラメル
『私はアンタが思うような女じゃないよ。』
「知ってる。」
『知っててなんで付き合うのよ。』
「好きだから」
『……』
予想外の言葉に、私は言葉を失った。
私だって好き。
たった一つで逃げてきた私を優しく撫でてくれた。
鎖を溶かしてくれた。
鎧を取って、ありのままの私を抱いてくれた。
彼は私を甘くしてくれた。
口の中に広がる甘みは彼の愛だと分かった。
『私も好き…。』
私は初めて彼とキスをした。
キャラメルの味がした。