ももの天然水
「お、襲われかけたことがあるの。男の人に、」

「もう、いいよ。」

「ダメ。体中触られて。この傷だって」

「紗優。」

優しく抱き寄せてくれるきみ。

「だから、」

気持ちが通じ合ったのに…

こんなこと言いたくない。

「水城くんと、そういう関係には、なれない。」

「紗優、俺のこと好き?」

「うん。」

「それが聞けて、よかった。」

「でも、」

「俺の彼女になってくれますか?」

でも、こんな汚れた体じゃ……。

「俺、ずっと後悔してた。」

「なにを?」

「紗優の、その傷。」

これ?

水城くんには、関係ないのに。

< 100 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop