ももの天然水
「俺がもっと早く、気づいていれば。」

「なんで、水城くんが?」

「生きててよかった。」

ほんとによかった。

間に合ったんだ。

「まさか、あのときの男の子って…」

「俺だよ。」

「ありがと、ほんとにありがと。」

泣きながらお礼を言う紗優。

「でも、傷が」

「いいの。うちの生きてる証拠だから。」

生きてる証拠。

紗優らしい言葉だ…。

「好きだよ、紗優。」

「だから、」

「もう傷つけない。俺が守る。」

「ほんとに?」

「うん、絶対。」

「好きでいていいの?」

「うん。俺の彼女になって。」

「…うん。」

泣きながら笑顔になる紗優。

俺は、紗優の彼氏になれたんだ。

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