ももの天然水
「あんな恥ずかしいの出るわけないじゃん。」

「つまんな~い!」

「はいはい。」

「紗優、友哉が呼んでる。」

「お、彼氏くんの登場だ!」

「真奈、うるさい。」

「は~い!」

なんの用だろ?

「なに?」

「え?」

え?

「いや、だから、なんの用?」

「あ、あのさ、涼がアレにエントリーしちゃったんだけど。」

「涼くんならいいじゃん。うちら、関係ないし。」

「違うんだ、涼が俺たちを候補に挙げたんだよ。」

「ふ~ん…は?」

「だから、出ないといけないんだけどいいかな?って」

アレにだけは絶対に出たくない。

「わっ!」

急に抱きしめる友哉くんについビックリしちゃった。

「いい?紗優。」

そういうのに弱いんだよ…。

知ってるくせに……。

「う、うん。」

「ありがと、」

「あ、今はだめだからね。」

顔を近づけてくる友哉くんにそう言うと、しょんぼりした顔になった。

おもしろ。

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