ももの天然水
「慣れ?」

「そう、蓮とずっと遊んでたし。」

「へぇ、仲いいんだね。蓮先輩と。」

胸のあたりがチクッとした。

「普通だよ。蓮は、幼なじみなだけだし。」

「好きとかないの?」

俺、なに聞いてんだ?

「ないよ。」

「でも、幼なじみ同士は相性がいいって。」

「ただの相性だよ。恋とかに発展しないし。」

「でも、」

「どうしたの?急に。」

え?

ふと我に返った。

「い、いや。好きな人とかいないのかな?って。」

「いないよ。てか、恋なんてできないし。」

「なんで?」

「秘密。」

秘密…。

知らないことばっかりだな。
< 48 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop