ももの天然水
大好きなサッカーにも気が入らない。

「友哉、ちょっといいか?」

「蓮先輩。」

「高木には、許可とってある。」

「あ、はい。」

9月の涼しい風が吹く、体育館裏。

「あの、」

「ごめんな。」

なんで、蓮先輩が謝るんだ?

「紗優もわかってる。友哉が悪気があったんじゃないって。」

「でも俺は、」

「お前は、悪くない。悪いのは俺なんだ。」

「なんで、蓮先輩は!」

「俺が原因なんだ…。」

「どういうことですか?」

「俺が、怖い思いをさせた。」

「だから、蓮先輩が守ってるんですか?」

感情を押し殺した顔でうなずく蓮先輩。

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