ももの天然水
さっきからずっと気になってることが…。

どこかから視線が突き刺さる。

ここまで視線を感じたことはない。

「それでは、午後の部を始めまーす!」

真奈の放送が入る。

「蓮、紗優!アップ始めるぞ!」

え?

リレーのためにアップするの?

「綾乃~。翔がアップしたいって」

「うん、わかった!」

「翔、アップってなにするの?」

「う~ん、わかんねぇ!」

やっぱり、そんな事だろうと思った。

「紗優」

「ん?」

「陸上部ってどんなアップするの?」

「え、やめた方がいいよ。きついし。」

ほんとにきつい。

あれに慣れるのは、けっこう時間がかかった。

「とりあえず、軽く走っとくか。」

「そうだな。」

軽くってどんな感じだ?

「紗優、どの辺でバトン渡せばいい?」

「手前で待ってる。」

少しでも長い距離を走りたい。

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