ちよこれえと [完]
「綾香がちゃんと俺を見てくれてて嬉しい。
………チョコ、ありがとう。」
泣きたくなった。
大好きって気持ちがいっぱいになって、
溢れだしそうだった。
寛貴君の手は、私の手をチョコレートごと包み込んで、
そのままキスした。
寛貴君―――
大好き。
「……あ、まって。」
「は?」
「匂いが大丈夫になっただけなので、ホワイトデーのお返しはチョコレート以外の物がいいな……///」
………寛貴君の顔は、それはそれは冷たかった。
☆end☆