崩れていた世界
紅茶を飲み終えて、支度も終わった。

今日は仕事だ。

働いている店は家からまあまあ近いので助かる。

おっと!遅れてしまう!!

私はすぐ玄関に行きドアを開けた。

冬の香りが舞い込んできて、それと同時に寒さが伝わる。

「行ってきます」

誰もいないけれど行ってきますと言って、玄関のカギを閉めた。

冬の街を一人で歩く。

ブーツがこつこつと鳴りながら歩く。

…雪が降ったんだな…

「さむ…」

小さくつぶやいて、マフラーを締め直した。

風がひゅうーと唸っている。

あぁ、冬なんだな…。

そう思いながら、私は足を急がせた。
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