俺の太陽
俺のアパートへ来たキミは、ひどく思い詰めたような顔をしていた。


今にも涙がこぼれそうな……そんな顔。



「成績のこと?」



と聞く俺に、キミは信じられない言葉を口にした。



「……別れたい」


「もう、優太とは付き合えない。……別れて」



何が起こったのかわからなかった。


逃げるように玄関へ向かったキミを追い掛け、腕をつかんだ。


その瞬間、キミの目から大粒の涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。


俺は何も考えずに、ただキミを力一杯抱き締めた。



「別れねぇから」



キミがなんて言おうと、絶対に離さない。


そんな気持ちを込めて。
< 23 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop