犯罪コレクターの独白
「昨日、梅田で迷子になった時に、助けてくれた男の人がいたでしょ? その人から携帯の番号をもらっていたの」


夕暮れ前、駅のホームで大きな荷物を置いて話す私達は、寂しかった。

幾ら透明人間に戻ったといえども。

「優しそうな人で、私は一目惚れをしていた。だから、秀俊が寝た後、駄目元で電話を掛けてみたの。そしたら、今から会おうってことになって……」


私の就寝中に、佳波がそのような行動に出るとは、信じられない気持ちだ。

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