犯罪コレクターの独白
「分かってるよ。彼は、人間。私は、透明人間」

「それなら、付き合ってどうするつもりなんだよ?」

想像すら、できなかった。

「私の人間になれる日数はあと『250』。それまでは遠距離恋愛をする」

言葉を失いそうになった。

「別れが前提の付き合いってこと?」

「うん。人間になれなくなったら、別れる」

佳波の双眸には、凛とした光が灯っていた。

「そんなこと、できるのか?」

「分からない。別れたくなくなる、とは思う。でも……」

しっかりと、私を見据える。

「彼が好きなの」

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