犯罪コレクターの独白
駅を出ると、意外と多くの人間がいた。


誰彼なしに、私は殴り付ける。

涙をこぼしながら、暴行を働く。

「憎いんだよ」

叫びつつ暴れるので、涙が口の中へ侵入する。

――しょっぱい。

けれども、そのようなことを気にする余裕はなかった。

「憎いんだよ」

悲鳴ともいえる叫びが、私の中だけで響いた。

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