犯罪コレクターの独白
突如、脳裏に母と珠希の顔が浮かぶ。

疲れ切った二人とは対照的に、楽しく暮らす父。


私の『育成費』は母の口座に振り込まれている、という別所さんから聞いた事実は、何の慰めにもならない。


ふつふつと、憎しみの念だけがわいてくる。

憎い。

憎い――。

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