犯罪コレクターの独白
「透明人間の国への出入口になっているんだ」


胆嚢を取り出した女性を殺害した日のことを思い出す。

あの日、『食料置き場』の前でしゃがみこんでいた別所さんは、私の姿を認めると、ひどく動揺した様子を見せた。

納得が行った。

丁度、透明人間の国へ向かおうとしている所だったのだろう。


「それで、何をしていたんですか?」

別所さんの次の一言が、私を絶望の底に突き落とす。

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