犯罪コレクターの独白
それ以外の点では、透明人間は悪くない。


まず、家族の他の人間には透明人間の姿が見えないだけでなく、触れることもできないらしい。

まるで幽霊になったようだった。

だが、人込みを他人とぶつかることなく、易々と通り抜けられる点は得した気分になる。


十五年も生きてきたら、そのように前向きに考えなければならないのかもしれない。

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