犯罪コレクターの独白
手が離れた瞬間、淡桃色が空中をひらひら舞う。

「今日は風が強いのに、秀俊君の頭の上に残っていた桜の花びらは、随分と根性があったようだね」

そういうことか、と残念がっている自分がいる。

そのような考えを抱いた自分に、驚いてしまった。


「じゃあ約束通り、与えるものがあるから、入って」

私の動揺に、まるで気付かない口調だ。

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