ご褒美頂戴
あっでも!


「先生!」


そう言って右手をピンと空に向かってあげた私。


「なんだ、それ?」


先生は目を見開いているけれど


「じゃあ頑張ったらご褒美頂戴!」

「褒美?」

「うん!そしたら頑張れるもん」


そんな私に先生は考えるように「褒美ねぇ」なんて呟いている。

そして小さく息を吐いてから


「特別だぞ」


そう言ってふっと微笑んだ。

その表情に私の心臓はなぜかドキンッと音を立てた。

今まで先生に対してこんな風に感じたことはなかったのに。
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