ミタマシズメ
「おまちどおさま」
テーブルに、麦茶を置くと女性は、「どうぞ」と私を促し
花を『彼』の仏壇に供えさせてくれた。
お線香の匂いと、リンの音。私は静かに手を合わせ、
「お久しぶりです」
と、心で『彼』に挨拶をした。
(長い間、ご挨拶に伺わずに、申し訳ありませんーーー。)
それを彼女にも伝え詫びると彼女は「いいえ」と首を軽く振り
「あなたのお気持ちを思えば…仕方のないことです」
と優しく言ってくれた。
彼女は、あの15年前の夏に起きた墜落事故のご遺族だ。
亡くなったのは、6歳の私の手を最後の最後まで握りしめ
「がんばれ、がんばれ」と励ましてくれた、
あの『オジちゃん』…彼女の夫だった。
テーブルに、麦茶を置くと女性は、「どうぞ」と私を促し
花を『彼』の仏壇に供えさせてくれた。
お線香の匂いと、リンの音。私は静かに手を合わせ、
「お久しぶりです」
と、心で『彼』に挨拶をした。
(長い間、ご挨拶に伺わずに、申し訳ありませんーーー。)
それを彼女にも伝え詫びると彼女は「いいえ」と首を軽く振り
「あなたのお気持ちを思えば…仕方のないことです」
と優しく言ってくれた。
彼女は、あの15年前の夏に起きた墜落事故のご遺族だ。
亡くなったのは、6歳の私の手を最後の最後まで握りしめ
「がんばれ、がんばれ」と励ましてくれた、
あの『オジちゃん』…彼女の夫だった。