続・どうして私を選んだの?【完】
その日、担任に呼び止められ、部活に行くのが遅れてしまったオレは、体育館への道を急いでいた。
…この時間帯いつも混んでるから嫌なんだよな〜
少し離れたこの距離からでも聞こえてくる黄色い声にオレは、ゲンナリと肩を落とす。
この声援のほぼ、大半は、全て…“北川遥斗”先輩に贈られている。
そのうち、残りの3分の2が兄貴。3分の1がオレ、といった具合。
遥斗先輩は、兄貴とも仲がよくて、バスケも上手い…それに、なんといっても顔のつくりが、ハンパじゃなかった。
最初会ったときは、思わず、
芸能人!?
と、感じてしまったし。