僕の一日は三時間
僕の一日は三時間
夜の9時に彼女と夕飯を食べる約束があり、合鍵を使ってアパートの部屋に来てくれた。


長い茶髪を肩のところで一つに結び、今夜はラーメン食べにいこう!…と仕事からの解放感を滲ませた声で床に正座する僕を誘う。


必要最低限しかない殺風景な部屋に、彼女の明るさは華になる。


笑顔が眩しく、澄んだ声はまるで目覚まし時計のようだ。


僕の顔を見るなり、

「眠そうだね?」

と、半開きな瞳でボーとする僕に、一気に低い声で呟く。


「あぁ……さっき起きたから」


重く感じる頭に刺激を与えるように自分の頭を撫でながら、答えた。


「いわゆる爆睡だね」


呆れたような口調で言われたけど、彼女は可笑しげに笑っていた。


癖なのか区別がつかないような緩やかな線を描く黒髪を簡単に指先で整え、僕も笑顔で返す。



あと三時間もしない内に、今日は終わる。


僕の1日は変動するようだ。


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