ありのままのキミ
「きょーつけー、れい」
「「「「「さよーなら」」」」」」
六限目の体育で力を使い果たしたからなのか、これから部活だから憂鬱なのか、理由はともあれ間延びした挨拶でホームルームを終えた私達。
私もさっさと帰るか、と鞄を掴んだ時。
「あ、の。鮎川さんっ」
少し顔色の悪い委員長が目の前に立っていた。
「何?」
「あ、いや。あの…鮎川さん…一応クラスで…英語係でっ。…あのノート…」
委員長の言葉に教卓を見るとノートが積み立てられている。半分はすでに委員長が抱えているようで重そうだ。
「……ああ。職員室に持っていけばいいの?」
「え?……あっ、うん…っ」
キョトンとした委員長は教卓に向かう私に付いてくる。
まさか私がすんなりと持って行くとは思ってなかったのか。委員長っていつも私を怖がってるからね。
私はヒョイとノートを抱えて職員室に向かった。