ありのままのキミ
ドサッと英語担当の先生の机にノートを置くと続いて委員長もノートを置く。
「ごめんね、放課後に」
「いーよ」
どうせ約束まで時間あったし。
それより、早く職員室を出たい。
さっきから向けられる視線に気付いている。教師たちの非難の目。
問題児が職員室にいたら悪いか。
ま、こんな頭髪服装でいる私が悪いんだけどねー。
とりあえず去ろうと職員室の出口へと歩いている途中で横から腕を掴まれる。しかも、また左腕。
「鮎川、ちょっと待て」
誰か、なんて腕を掴まれた瞬間から分かっていた。
「何」
生徒指導の中尾。私がこの学校で最も嫌いな教師だ。別に指導や注意を受けるのが嫌だからって訳じゃない。単に人間的に私の嫌いな人種。
「お前、水曜日何してた」
「は?水曜?」
水曜日は広瀬に会った日だ。
「カラオケ」
「嘘を付け!!」
突然、こうやって中尾が怒鳴り散らすのはいつものことだ。