ありのままのキミ

「だからやめたんだよ。ガキって思うかもしれないけど。親に見てもらえないなら一番とっても意味ないや、って。


それくらい私は一生懸命だったんだよ」






バカみたいだけど。







「いや、違うな。少なくとも中学の頃はグレたら見てくれるかなーって思いはあったかな。


今は……もう諦めてるから」




「諦めてるって顔じゃねえな」


「は？」





それまでずっと黙って私の話を聞いていた広瀬が呟いた。




「お前は親とちゃんと向き合ったか？ちゃんと自分を見てほしいって伝えたか？」


「………伝えて、ない。けど伝えた所でどうにもならない」


「そうか？諦めたって、諦めたフリして本当は逃げてるだけじゃねえか？」


「っ」






何なんだよ。

ムカつく。何もかも見透かしたように、核心をついてくる。




逃げてる？私が？


違う。私は────







「怖いんだよ」


絞り出した声は掠れていて心なしか震えていた。