あたしを食べてよ、狼くん。




「そう?

 ………………ちょ、あれ!!」




梨沙が驚いた顔をする。


狼くんを見つけちゃったみたいだ。





「真依、なんでもないって……!

 なんでもなくないでしょ!?」




「……も、もうやだなぁ。

 梨沙ったらあせりすぎーっ。


 あれくらい、普通だよ普通!
 だって狼くんだよー?」





「でもっ………………!!!」




「だーいじょうぶだいじょうぶ!

 今日も、一緒に帰る約束だから、
 そのときにお灸すえとくよっ」






笑って、ごまかしてみる。


お灸すえるなんて、できないくせに。

< 101 / 239 >

この作品をシェア

pagetop