あたしを食べてよ、狼くん。




「あはっ!


 ほんといい加減だよね!」





嫌味のある言い方じゃなく、

心底の笑顔で香織は言った。




その笑顔が、俺は好きだった。





「じゃぁ、付き合わない!!

 もしそうなったら、
 勇斗のファンに怒られちゃう」




「それはまー、俺が守る」




「うわ、男らしいこと言って!

 いーの、それでも!


 ケイがきっとやりにくいし、
 わたしは二人の……」




「………俺らの?」






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