あたしを食べてよ、狼くん。



「香織っ!!」




せめて近くに。


近くに行きたいのに。




柱に繋がれていて、動けない。





「あっ……やめ……!!」





見ず知らずの男に体をなめられ、


そして―――――――




「……いや……!!


 …痛いっっ!!!!!」




横たわる香織の太ももあたりに、

少しの血が流れた。





「あ、やっべ。

 早くにしすぎた。


 もーいいや。

 終わっちゃったわ」



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