リングリーンリンクス
まえおきしない
「よくさ、この世には3種類の人間が居るっていうじゃん?あれって何と何と何だっけ?覚えてないんだよね。

俺の記憶が正しければ“殺す人間”、“殺される人間”、“死なない人間”だと思うんだよね。え?違う?そっかー。

でもさ、これも正しいよね?ほら、死ぬ人間が居れば死なない人間も居るわけだし……あ、いや、違うか。

死なない人間なんて居ないよな、寿命で死ぬじゃん結局?あれ。

じゃあ人間は一種類しか居ないか!“死ぬ人間”。

……でもこれだったら人間に限らなくて良くね?

人間以外の動物も死ぬもんな結局。植物もいずれ枯れて腐るし。

あー、あれか?“絶望の中で死ぬ人間”とか?そういうやつか?
あーでもなー、それだとたくさん種類ができちまうよなー、困ったわー。

………ん?あぁ、悪い悪い、僕の一人語りになってたわ。別の話でもするか?アイドルの話とか。あ、いい?そう

………ひゃはは!まーたお前は面白い事言ってんなー、クッソつまんねぇわ。

あ、そろそろ仕事再会するわ、そんじゃなマイハニー。」


ぱたん、と。

今時のミーハーな都会人が使っている訳も無さそうなガラパゴスケータイを閉じる少年。

少々小柄だが年齢は恐らく高校生ぐらいだろう。
顔には一生かかっても治らなさそうな大きな傷があり、それを隠すように無造作に伸びた髪は暗い茶色に染められている。

「さぁてと、ってな」

ごく自然な手つきで学生服の中から取り出したのは、柄の先に長いニードルがある
━━所謂、アイスピック。

少年は取り出したアイスピックをナイフを持つかのように構えると、形の良い薄い唇を厭らしい笑みで歪ませ、

「殺しますか!」

そう、言った。
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