人な私と機械な君と

プロローグ

春の季節を匂わせる早朝、目覚ましも鳴らさず起きる青年が1人・・・。

彼はいつも決まった時間に起き決まった時間に床に伏せる。まるで自分の意思で起きるのではなく、誰かの意思によって起こされるかのように・・・・。

まだ空気は肌寒く、起きた直後は布団の中にうずくまってしまう人も少なくはない。
だが彼は一切の躊躇も見せず洗面台へと足を運ばせる。

彼はLDKのマンションに1人暮らしをしている。
普通部屋を見ればその家の主の趣味が分かるというが、これと言って趣味になるものは見つからない。
本が4,5冊積み重なって置いてあるがそれ以外は数少ない必需品と数少ない日用品のみ・・・・。

この状況を見れば1人暮らしをして間もないのだろうと誰でも思うだろうが、彼はここで1人暮らしを始めてからもう4年は経っている。

彼は顔を洗い朝食を取るために冷蔵庫へと向かう。
「・・・・・・。」