人な私と機械な君と
 「これから始業式を行います。皆さん静粛に・・・・。」

これから約2500人による大人数の始業式が始まる。

「まずは校歌斉唱。」

司会の先生がそう言うと生徒達が一斉に生徒手帳を開き始める。私もまだ憶えていないので生徒手帳を見ようとするがポケットに生徒手帳が入っていない・・。

「あれ・・・・、はぁっ!?」

やってしまった~~~・・・。

朝は急いでいたのでポケットにしまわずカバンの中へと放り込んでしまったことを思い出しす。その数秒後校歌が流れ始める___。講堂には単調でなめらかなメロディが生徒達に向かって響き渡っていく・・・。私は仕方がないので口パクをする事になってしまった。

校歌が始まり皆が歌い始ていく。小さい声で歌う人、私見たいに口パクで歌う人や成り行きで歌う人・・・、いろんな人が校歌をいろんな歌い方で歌っていく___。

私は口パクで余裕があるので(あっては駄目だけど)クラスの皆がどう歌っているのか少し見回してみた・・・。

「あ~か~~い富士のや~?あれ、や~ま、あれ?や~~~~あぁ~~、ってタメがなげ~よっ!!」

トコちゃんはまだ校歌を全然憶えていないらしい_。あと何か他の人にやつあたりもしている。

「ふふふ・・・・っ。」

ちぃちゃんはもはや歌っていない。

兄弟さん達は・・・・__。

馬鹿1号:「きぃぃぃ~~~よぉぉ~~くぅぅぅぅうぅ、ただしぃぃいぃい~~!!」

馬鹿3号:「ぐぁあああ!!」

馬鹿4号:「康太のやつが音痴だってこと、わすれてたぁぁあっ!」

岡田くんと美馬くんは上杉くんのあまりの音痴さに耳を塞ぎ唸っている。

馬鹿2号:「あぁ、っーーーーー・・・。」

林くんはあまりのうるささに気を失いかけている。ガンバレっ!

前の方からも目立つ歌声が一つ・・・。

「うぅつくしいくぅぅ~~~!!」

「ああもう嫌やわたっちゃん・・・・!!」

滝沢先生・・・・・必死に歌ってるのは伝わってきますよ!
八ッ橋さんも先生の音痴さに困っているようですっ、ファイトッ!!

こうして短くもあり長くもあった校歌が緩やかなメロディと共に終わりを迎えていった__。
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