人な私と機械な君と
 校歌が終わり始業式が80分程続くなか___。

「教頭先生ありがとうございました、続きましてPTA__。」

2-10組の様子はというと・・・__。

馬鹿1号:「あぁああああああ!!なげえぇ!ものすごくなげえぇ!特に校長!何あれえぇ!?とにかくなげぇよ!てか校長の趣味とか興味ねぇよ!早く本題に入れよぉ!」

上杉くんがあまりの長話に発狂し始めていた・・・。確かに校長先生の話しは非常に長いものでした。かれこれ50分間ずっと話し続けていたのです。生徒達も流石にキツかったらしく(私も)殆どが聞く気力を失っています。

馬鹿2号:「・・・・かーーーーzzzZZ。」

林くんは立ったまま寝ていると思ったけど、その後ろの岡田くんが林くんの体を支えている。

馬鹿4号:「確かに試合の表彰式よりは長いよな・・・・・。」

馬鹿1号:「なに!校長もういいじゃん!!要点まとめて言えばいいじゃん!!要するにさ、これから新学期が始まります、はい、皆さん頑張ってください、はい・・・・で、もう終わりじゃん!!であるからしていらないじゃん!!であるからなくていいじゃん!!」

馬鹿3号:「お、落ち着け康太、多分もう終わるからさ!今日は始業式しかないだろ!?今日は全部活ミーティングだけだろ!?なっ?それから一杯遊べるじゃないか!」

発狂している上杉くんを岡田くんが林くんを支えながら必死に説得してなだめていく。

馬鹿1号:「で、あるからしてええええええええええぇ!!!!!」

それでも上杉くんの怒りは収まらない。

な、何だか大変そうだなぁ・・・・。なんか上杉くん白目向いちゃってるよ・・・。大丈夫かな・・・・・・・。

「あっはははははっ!!で、あるからしてぇぇって言って怒ってるやつ始めて見たっ!あはははは、う、腹いて腹いてぇえっ。」

トコちゃんは20分程前から騒いでる兄弟さん達を見ものにしていて学校の話しなど聞いてはいない。今もお腹を抑えながら大爆笑をしている。

「フフフ…ふふふふふ・・・・・。」

ちぃちゃんは微動だにせずPTAの話しを聞いている。やっぱりちぃちゃんは違うな~・・・。多分お嬢様だから慣れているんだろうと勝手な推測をする私__。

「あぁあ、お前らうるさ過ぎやわ!!特に上杉いぃ・・、気い確かにせんかい!!」

上杉くんのあまりのうるささに委員長がやって来る。そして委員長は上杉くんの胸ぐらを掴み連続ビンタをくらわしていく・・。

馬鹿1号:「アベアベアベアベアベアベアベアベアベッ・・・・・・はっ、お、俺は一体、何を・・・!?」

上杉くんは両頬を赤く腫らしながらようやく正気に戻ったようです。そして状況を確認し始める。

馬鹿1号:「(な、なんで俺、八ッ橋に胸ぐら掴まれてるんだ・・・・?ま、まさかこいつ俺のことが・・・・・・・・(馬鹿)!?)」

上杉くんの顔がだんだんとキリッとした真面目な顔になっていく。

「な、なんやお前急にどないしたん・・・・・?」

上杉くんは照れながらもじもじとしている。何か八つ橋さんに言いたいことがあるらしいですが言うことをためらっているようです。あ、また真剣な顔に戻った。

馬鹿1号:「お前・・・その、俺のことが、好きなのかっ?」

「はぁっ!?」

上杉くんの一言(何故か爽やかイケメンボイス)で八ッ橋さんが呆気に取られている。上杉くんは何かものすごい勘違いをしているようです。

馬鹿2号:「おめで、とう・・・・(イケメンボイス)。」

馬鹿3号:「おめでとう・・・(イケメンボイス)。」

馬鹿4号:「・・・おめでとう・・・・(イケメンボイス)。」

パチパチパチと兄弟さん達が微笑みながら拍手をし始める。そして林くんはいつの間にか起きていた。

「は、はあ!?なんでうちがこいつのコト好きにならなきゃいけないんですか!?アホかっ!!」

八ッ橋さんが動揺しまくっている。

馬鹿1号:「そ・・・そうだぞ、や、やめろぉ・・・や、八ッ橋が困っているだろぉ・・・。(爽やかイケメンボイス)」

上杉くんの回りがキラキラ描写で埋め尽くされていく___。
そして兄弟さんたちは上杉くんに言われ八ツ橋さんに謝罪をしていく(何故かイケメンボイスで)。

「て、お前らも悪乗りし過ぎや!ちょ、上杉もそのキラキラと爽やかボイスやめえ!!あとその手ぇっ!そっと手で口を隠す仕草やめんか!!お前にその仕草はあと10年早いわボケっ!!」

永遠と漫才を繰り返す八ツ橋さんと兄弟さん達・・・。それを見て大爆笑をして息が続かないトコちゃん。そしてそんな事が起きているというのに微動だにせず学校の話しを聞き続けているちぃちゃん。私はそんなクラスを見ながらそして皆で行くマイケルバーガーのことを想像しながら始業式が過ぎていくのを待っていた____。


  「最後に生徒会副会長___。」

そろそろ始業式も終わりの時が近づいてきたようです。殆どの生徒が飽きてざわざわとヒトヒソ話をしているなか、生徒の中から壇上へと上がる男性が1人_________。
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