人な私と機械な君と
 __始業式を終えあとはホームルームを残すだけとなっていた。

私達は教室へと戻り滝沢先生が来るのを帰りの支度をしながら待っていた。私は最後に見て聞いた彼の演技が頭から離れていかなかった__。

あの人が、海堂 悠(かいどう ゆう)・・・・__。すごいキレイな人だったなあ・・・・___。私では絶対に届くことのない人・・・。私とは全くの正反対・・・・生きている世界が違う・・・・・、でも・・・・。

目を瞑ってさっきの事を思い返してみる。

壇上で1人黙々と話し続ける彼を____。まるで録音機で何度も取り返してそれを流していたように完璧だった。非の打ち所が無かった・・・。しかし・・・。

でも、何だか寂しそうだったな・・・・・。

そんなことをふと思ってしまった私・・・。

いやないないないないないっ!そんなことは絶対にないって!多分私の思い違いなだけ!

と頭を横にブンブンと振って、今考えていた事をかき消していく_____。

馬鹿1号「えっ!?モジャ子さん、そんなに無かったと思いますですか!?」

「えぇ‘っ・・・!?」

私は上杉くんの言動で一瞬心を読まれたと思い顔が赤くなってしまう___。

「そりゃそうやわ!!何でうちがお前の事好かなあかんねん!!」

馬鹿2,3,4号:「「「確かにっ!!」」」

馬鹿1号:「ガーーーンッ!!」

まだ八ッ橋さんが上杉くんの事を好きか好きじゃないかということについて話し合っていたらしい。やっと八ッ橋さんもあらぬ誤解が解けてホッとしている。上杉くんはかなり落ち込んでいるようです。

「ところでさ、今日のマイケルバーガーの件どうするよ??」

トコちゃんがその話題を持ちかけると林くんが待ってましたと言わんばかりに食いついてくる。

馬鹿2号:「そうそう!!皆このあと部活のミーティングあるでしょ!?」

馬鹿4号:「そうだなぁ、じゃあ、ミーティングが終ったやつから先にマイケルバーガーんとこ行くってのはどうよ?」

「私は橙子ちゃんと一緒に行かせてもらうわ。」

「おう、おっけーーー。」

馬鹿4号:「・・康太もそれでいいよな・・・・?」

馬鹿1号:「・・・・・・うん・・・・・・。」

上杉くんは教室の隅っこで体育座りをして落ち込んでいる。あれノリでやってたんじゃなかったんだ・・・・・。

馬鹿3号:「誠の件は賭け主の皆が揃ってから買うと言うことで。」

馬鹿2号:「いやっほおおおおおおおおお!!!!!!!マイケルバーガー食べ放題だぜぇぇぇえええーーーーーー!!!!」

今まさに林くんのテンションは有頂天へと達した。

「美鈴は茶道部だけど、何かあるのか?」

「うん、少し茶道室の掃除を。」

茶道部だけどって何ですか!ちゃんと茶道部だって活動しているんです!お茶入れたり和菓子食べたり・・・・くつろいだり・・・?

実際茶道部の部員はほとんど幽霊部員で私も時々行って、先輩からもらう茶菓子を食べるだけだったりする。

__またチャイムと同時に滝沢先生が教室へと入ってくる。いつも時間になるまで廊下で待っているようです。なんと律儀な・・・・。

「みなさーん座ってくださーい。出来ればチャイムが鳴る前に座ってくださいね。っと、上杉くん・・・?どうしたのかな?どこか具合とか悪かったりするのかな・・・?」

「せんせ、そいつの事は気にせでええです。」

八ッ橋さん、なんて厳しいことを・・・・。

「え、あ、そうなの・・・?で、では、帰りのホームルームをやっていきたいと思います。えと、それで____。」
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