人な私と機械な君と
帰りのホームルームが終わり、私は茶道部に少し顔を出す事にした。私はショートカットを使い茶道室へと向う。その時、誰かに跡をつけられている気もしたが構わず足を運ばせる。
茶道部の紹介を少しさせてもらいたいと思います。茶道部の部員は10名程いるのですがその内の7人が幽霊部員で、あとの2人は3年生で受験シーズンで忙しくたまにしかこれません。なので私しか茶道室に顔をだすことがないのです。
私は茶道室の鍵を使い扉を開けようとするが日が陰っているのか鍵穴がよく見えない。
この茶道室の鍵は3年の部長が私に預けてくれました。特に決まった日に来なければいけないということが無いので私は時間が取れそうな日に来て、茶道具の整理や部屋の掃除をしそれが終わったら一杯お茶を入れて片付けて帰る。これが私の茶道部の活動ということになるのでしょうか。1人だけの部活動は寂しいですが慣れると結構居心地が良かったりもします。
私は鍵を開け本玄関で靴を脱ぎ原叟床(げんそうとこ)が設けられている六畳間の茶室を抜ける。茶道室に何故かある台所を使い軽い茶を入れて茶室へと戻ると・・・___。
「お邪魔してまーーすっ。」
そこにいたのはいつの間にか茶室にテーブルを持ってきて勝手にくつろいでいる和風とは真逆の金髪パーマで黒縁メガネを掛けた青年が爽やかに茶室に溶け込んでいた。彼は時々ふらっと茶道室に顔を出してきて(彼は茶道部員ではない)はお茶と茶菓子をたらふく食べまたふらっと何処かへいなくなってしまう、自由気ままな人だったりします。名前は旬(しゅん)さんと言ってあとのことは私も良く知りません。ワッペンは私達と一緒なので同じ学年だということは分かるけど・・・・。
「えっ!?しゅ、旬(しゅん)さん!?い、いつの間に・・・。」
「・・・ぷっ、はははははっ。もしかして気づいてなかったの?」
「は、・・はい。今気づきました。」
「ふふっ、そうなんだ。まあその話しは後でいいからさっ、美鈴ちゃん、いつものいつものー!!」
彼はそう言いつつテーブルをパンパンと軽く両手で叩く。
「は・・・、はい・・・。」
いつものとは茶と茶菓子のことでいいのだろうか・・・・?そもそも部員でもない人を勝手に上がらせて尚且つ部の物を勝手に出してしまっていいのだろうか??いや、言い訳がないはず!!
「あれー?どーしちゃったの美鈴ちゃん??もしかしてお菓子がなかったりするのかなっ??それなら僕はお茶だけでも構わないよっ。」
彼はすっかりお客の気分になってしまっているらしい。
な、なんなんだこの人は!!図々しいにも程がある!!!よ、よしっ。今日こそこの人にがつんと言ってやらねば!!
私はそう決心し彼の方へと顔を向ける__。
「あ・・・・、あ、あの・・・!!」
「んっ?どうしたのっ??」
私が話しを切り出そうとした時___彼は爽やか過ぎる程の満遍の無い笑みを私に放ってくる。私は一瞬彼の背後から後光が射したように見えた。
「う・・・、え、えと・・・___。」
なんという爽やかイケメンスマイル!!!!で、でも、かなりのイケメンだとしても、たとえどんなに格好良いとしても駄目なものは駄目であって・・・。だ、だからこそ私がビシッと言ってやらねば・・・!!!
「_____あのっ!!!!!!!」
「ん、なぁに???」
「___・・・和菓子と洋菓子・・どっちにしますっ?・・えへへ・・・。」
「じゃあぁー、今日は洋菓子でっ!」
鷹森 美鈴(たかもり みすず)16歳、爽やかイケメンスマイルに完全敗北・・・・____。
私はカステラとお茶をテーブルに並べていく。
「わぁーい!今日はカステラかぁっ。美鈴ちゃんっ、食べてもいいかな??」
「ど・・、どうぞ。」
「じゃあいただきまぁすっ。」
勝利した彼は嬉しそうに黙々とカステラを食べていく。
私という女はなんてっ!!!!いや、そもそもこんなにイケメンな人に言い返せる女性がいるのでしょうか?
私は無邪気に食べている彼の姿をそっと盗み見る。
いや、いないですよそんな人!!でも、行動は子供っぽいところもあるけど見れば見るほどこの人・・・。
「格好良いな・・・・・。」
「んっ??何がっ?」
彼はカステラを食べながら聞き返してくる。
「はぅあっ・・・・!!!!!!」
し、しまった!!つい口が滑って声に出してしまった!!!!!ど、どどど、どうしよう!!??
私の顔はみるみる赤くなっていく。
「え、えぇーと・・・その・・・・・・・・あっ!!!いや、き、気づかれずに跡を追うのってすごいなぁって思って!!!」
「ははっ、そうかな??」
彼は照れくさそうに笑っている。
良かった!!な、なんとか誤魔化せた!!!
「僕が東校舎を通っている時にさ、たまたま美鈴ちゃんを見つけたから跡をついてってみようと思ってね。」
「え、東校舎からですか!?」
「そうそう東校舎からずっと美鈴ちゃんの背後をっ。」
「しかも背後!?ど、どうやってですかっ!?」
確かに私の真後ろに誰かがいるような気がしたけど、あれは気のせいじゃなかったんだっ!!
「簡単だよぉ。それはね、ただ美鈴ちゃんの足音と重ねて僕も歩いていただけだよっ。」
「なんとっ!!??」
ほ、本当にすごい!!忍者みたい!!やっぱりイケメンさんはそんなことも出来るんだぁ。※イケメンだからといって出来るものではません。
「それはそうと、お茶お替りしていいかな_____?」
「あ、どうぞどうぞっ______。」
「ありがとぉっ。そうそう、話し変わるけど____。」
そうして私達2人は[一期一会]と書かれた掛け軸がある茶室の中でカステラとお茶が終わるまで日常会話を交わしていった____。
茶道部の紹介を少しさせてもらいたいと思います。茶道部の部員は10名程いるのですがその内の7人が幽霊部員で、あとの2人は3年生で受験シーズンで忙しくたまにしかこれません。なので私しか茶道室に顔をだすことがないのです。
私は茶道室の鍵を使い扉を開けようとするが日が陰っているのか鍵穴がよく見えない。
この茶道室の鍵は3年の部長が私に預けてくれました。特に決まった日に来なければいけないということが無いので私は時間が取れそうな日に来て、茶道具の整理や部屋の掃除をしそれが終わったら一杯お茶を入れて片付けて帰る。これが私の茶道部の活動ということになるのでしょうか。1人だけの部活動は寂しいですが慣れると結構居心地が良かったりもします。
私は鍵を開け本玄関で靴を脱ぎ原叟床(げんそうとこ)が設けられている六畳間の茶室を抜ける。茶道室に何故かある台所を使い軽い茶を入れて茶室へと戻ると・・・___。
「お邪魔してまーーすっ。」
そこにいたのはいつの間にか茶室にテーブルを持ってきて勝手にくつろいでいる和風とは真逆の金髪パーマで黒縁メガネを掛けた青年が爽やかに茶室に溶け込んでいた。彼は時々ふらっと茶道室に顔を出してきて(彼は茶道部員ではない)はお茶と茶菓子をたらふく食べまたふらっと何処かへいなくなってしまう、自由気ままな人だったりします。名前は旬(しゅん)さんと言ってあとのことは私も良く知りません。ワッペンは私達と一緒なので同じ学年だということは分かるけど・・・・。
「えっ!?しゅ、旬(しゅん)さん!?い、いつの間に・・・。」
「・・・ぷっ、はははははっ。もしかして気づいてなかったの?」
「は、・・はい。今気づきました。」
「ふふっ、そうなんだ。まあその話しは後でいいからさっ、美鈴ちゃん、いつものいつものー!!」
彼はそう言いつつテーブルをパンパンと軽く両手で叩く。
「は・・・、はい・・・。」
いつものとは茶と茶菓子のことでいいのだろうか・・・・?そもそも部員でもない人を勝手に上がらせて尚且つ部の物を勝手に出してしまっていいのだろうか??いや、言い訳がないはず!!
「あれー?どーしちゃったの美鈴ちゃん??もしかしてお菓子がなかったりするのかなっ??それなら僕はお茶だけでも構わないよっ。」
彼はすっかりお客の気分になってしまっているらしい。
な、なんなんだこの人は!!図々しいにも程がある!!!よ、よしっ。今日こそこの人にがつんと言ってやらねば!!
私はそう決心し彼の方へと顔を向ける__。
「あ・・・・、あ、あの・・・!!」
「んっ?どうしたのっ??」
私が話しを切り出そうとした時___彼は爽やか過ぎる程の満遍の無い笑みを私に放ってくる。私は一瞬彼の背後から後光が射したように見えた。
「う・・・、え、えと・・・___。」
なんという爽やかイケメンスマイル!!!!で、でも、かなりのイケメンだとしても、たとえどんなに格好良いとしても駄目なものは駄目であって・・・。だ、だからこそ私がビシッと言ってやらねば・・・!!!
「_____あのっ!!!!!!!」
「ん、なぁに???」
「___・・・和菓子と洋菓子・・どっちにしますっ?・・えへへ・・・。」
「じゃあぁー、今日は洋菓子でっ!」
鷹森 美鈴(たかもり みすず)16歳、爽やかイケメンスマイルに完全敗北・・・・____。
私はカステラとお茶をテーブルに並べていく。
「わぁーい!今日はカステラかぁっ。美鈴ちゃんっ、食べてもいいかな??」
「ど・・、どうぞ。」
「じゃあいただきまぁすっ。」
勝利した彼は嬉しそうに黙々とカステラを食べていく。
私という女はなんてっ!!!!いや、そもそもこんなにイケメンな人に言い返せる女性がいるのでしょうか?
私は無邪気に食べている彼の姿をそっと盗み見る。
いや、いないですよそんな人!!でも、行動は子供っぽいところもあるけど見れば見るほどこの人・・・。
「格好良いな・・・・・。」
「んっ??何がっ?」
彼はカステラを食べながら聞き返してくる。
「はぅあっ・・・・!!!!!!」
し、しまった!!つい口が滑って声に出してしまった!!!!!ど、どどど、どうしよう!!??
私の顔はみるみる赤くなっていく。
「え、えぇーと・・・その・・・・・・・・あっ!!!いや、き、気づかれずに跡を追うのってすごいなぁって思って!!!」
「ははっ、そうかな??」
彼は照れくさそうに笑っている。
良かった!!な、なんとか誤魔化せた!!!
「僕が東校舎を通っている時にさ、たまたま美鈴ちゃんを見つけたから跡をついてってみようと思ってね。」
「え、東校舎からですか!?」
「そうそう東校舎からずっと美鈴ちゃんの背後をっ。」
「しかも背後!?ど、どうやってですかっ!?」
確かに私の真後ろに誰かがいるような気がしたけど、あれは気のせいじゃなかったんだっ!!
「簡単だよぉ。それはね、ただ美鈴ちゃんの足音と重ねて僕も歩いていただけだよっ。」
「なんとっ!!??」
ほ、本当にすごい!!忍者みたい!!やっぱりイケメンさんはそんなことも出来るんだぁ。※イケメンだからといって出来るものではません。
「それはそうと、お茶お替りしていいかな_____?」
「あ、どうぞどうぞっ______。」
「ありがとぉっ。そうそう、話し変わるけど____。」
そうして私達2人は[一期一会]と書かれた掛け軸がある茶室の中でカステラとお茶が終わるまで日常会話を交わしていった____。