おとなり。
響くドアの音…。
『君が帰ってきた音』
小気味のよい一定のリズム…。
『君が料理をする音』
せきたてるような音…。
『君が忙しく歩く音』
それから。
壁越しに何かが軋む…不快音。
『君が誰かと…』
…なんて、野暮なことは考えてはいないけれど。
女ひとりの生活に。
君のその生活音は…すっかり馴染んでしまって。
ちょっとしたセキュリティーのように…、安心感をもたらす。
今宵、そのお隣りで。
愛に溺れても…いいですか?