テントウ虫は、いつだって
隣のクラスでは、各々席をたって友達と駄弁っていた。……が、


クラスの中心のとある席。


クラスメイト全員が距離を置いているため、その一帯だけが妙に目立つ。

そしてその中心にいる…というか、机に突っ伏している一人の男子が、これまた目立つ容姿をしていた。


寝ていても分かるその長身。足が長くて羨ましい……と密かにコタが思ったことは置いといて。


きらきら輝く金髪に黒のメッシュが三束に分かれてつけられている、その髪型。


なるほど、まるで【虎】のような風貌をしているではないか。


これにはコタも納得だった。



「あの人が……【虎守 天磨】(とらかみ てんま)先輩ですよね?」


「そうよ~、見るからに虎!って感じでしょ。動物系男子……ふふ、ふっ………ちなみに言うと虎守くんは素っ敵ぃ~な腹筋もあるのよ!

まあ、ドラマーだから色々筋力も必要なんだけどね」


「ドラマー?」


「ドラムを叩く人のことよ。虎守くんはイチカと同じ軽音部だから」


「先輩と…同じ……」



少しうつ向き気味でボソリと呟いたコタの言葉は、腹筋最高(はあと)と興奮しているマミには聞こえなかった。


しかし、何故イチカを教室に置いていく必要があったのか。

この謎が解決していない。


そう思いコタがマミに向かって口を開こうとした時、

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