テントウ虫は、いつだって

「それよりお前たち、部活しないのか？」



いつまでたっても後輩を見て騒ぐ同級生に呆れるイチカは相変わらずギターをいじっている。



「えぇー、だって見てたいもん」

「ほらイチカもこっち来なってぇ」

「可愛いよー、あの子」


「………。」



つまり部活をする気は無いと、


溜め息をつきながら、イチカはギターを置いて同級生達のいる出入口へと向かう。



「お？イチカも見る「わけないだろうに。メンテナンス用品を取りに教室へ行くだけだ」


「ちぇ、ツマンナーイ」


「ツマンナくて結構だ。ほら、お前達も部活を始めておくんだぞ」

「はぁーい…」



イチカに言われてやっと出入口を離れる女子共。渋々といった感じの彼女らにイチカは



「まったく…、今度何か奢るから、な？」

「！　やったっ、絶対ね！！」



途端、明るくなる同級生にまた呆れながらもイチカは返事を返す。



「だったら、ちゃんと練習するんだぞ」

「はぁーい」



もはや軽音部なのに吹奏楽部の部長らしくなっているイチカは音楽室から出て廊下へと足を運んだ。