テントウ虫は、いつだって
*現在


「せーんーぱーいーっ」



今日は晴天。先月、6月とはうって変わって晴れ晴れとした天気が続いている。



「おぉ、コタか」

「来ちゃいましたっ」



遠距離彼女に言われたいセリフ、ベスト10には入るであろう言葉をコタは可愛く言ってくれる。

間違っても、コタは男。

恋人関係になるとしても、彼女ではなく彼氏と呼ばれる存在。

それでも可愛く見えてしまうのは、小柄な体と女顔のせいだろう。



「一年のクラスは一棟だろう?ココは二棟。毎日無理して来なくてもいいんだけどな」

「無理なんてしてませんよっ。俺は先輩が好きだから来てるんです!」

「そうか、ならいいけど…。無理するなよ。コタに負担がかかると私も辛いからな」

「先輩っ……ありがとうございます!!大好きですっ!俺なんか心配してくれて……」

「そうか、私も大好きだ。コタは可愛い後輩だからな」



ジーンと感動するコタとコタを撫でるイチカ。一見するとカップルにしか見えない。



「……アンタら付き合ってんの?」

「んにゃ、全く」

「俺的にはいつでも準備は出来てますよっ!!」

「何のだ」



カップルではない。なら何なのか?



「コタは後輩というより、犬みたいな…ペット可愛い存在だな」

「先輩の近くに居れるならペットでもいいですよっ!」



そしてまたコタの頭を撫でるイチカ。

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