キャラメル
私は暗い空の下ゆっくりと歩き出した。

「あーあーあー…あーあーあー…」

泣きたいけど泣かない。
涙が流れない様に必死に気を紛らわせました。

私はケータイを取り出して電話をかけました。

「もしもし?」
「もしもーし。今何してた?」
「今?テレビ見てた。どした?」
「…キャラメル食べたい。ねぇ、家行っていい?」
「いいけど…何かあった?」
「ん。あった。今から行くね。1時間ぐらいで着くから。」
「え?今どこいるんだよ。」
「今?蝶公園の前歩いてる。」
「はあ?お前危ねぇよ。チャリで迎え行くから公園にいろ。」
「ははっ。ありがとう。」

私は幼なじみに電話をかけた。

迎えが来るまで私は公園のブランコに座っていた。

「あーあーあー…あーあーあー…。」

泣かないよ。
お母さんがきっと私の分まで泣くから。
お兄ちゃんとお父さんはそんなに涙いらないもんね。
泣いてる顔なんか見たくないよね?
< 6 / 13 >

この作品をシェア

pagetop