キャラメル
「そっか…ごめん」

幼なじみは下を向いてしまった。
「謝る必要ないよ?私はそう決めただけ。さっ、帰ろ?」

私はブランコから勢いよく立ち上がりました。

「もちろん、チャリの後ろ乗せてくれるんでしょ?」

幼なじみは洋服の袖で涙を拭き

「お前重いからなあ…(笑)」

と言った。

「なっ!!それ女の子に対して失礼だぞっっ!!」

そう言い私は幼なじみの自転車の後ろにまたがりました。



自転車を少し走らせ公園が見えなくなりました。

「ねぇ。」
私が幼なじみの背中から話かける。

「何?」
幼なじみは振り返らず返事だけをします。

私は幼なじみの背中に頭を当てました。

「ねぇ…今日泊めて?一人で居たくないよ。。」

「いいよ。」

「キャラメル…ありがとう。」

私は彼の後ろでキャラメルの包みを取り、一粒口に入れました。
口には甘いキャラメルの味が広がりました。

私は彼の背中に頭を当てたまま下を向き、誰にもわからない様に静かに泣きました。

周りの人にもお月様にもお星さまにも見れないように。
幼なじみにもバレないように泣きました。

お兄ちゃんとお父さんの事で泣くのはきっと最後なんだと心に誓い、泣きました。
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