リボンをほどいた彼
タイトル未編集

クラスで浮いてる!?

『今日から、お前のこと絶対に幸せにしてやる』


こんなコトを言われることになったのは、数年後のことだ。

今の私はというと…

『今日から、この星校の生徒として、恥なきように自分の道を探してください』
という、校長先生の挨拶が終わった。
そう、私は星空高校、通称『星校』にこの春から、入学することになった。
この学校は、生徒の個性を1番に考えられている学校で、制服の着こなし方や髪の色、メイクや持ち物にコレといった指定はない。
つまり、先輩などを気にしなければ、基本的に何でもアリって訳なのだ。
こんな学校に入ることになったのには、いろいろ訳があるのだが、それは追い追い話すことにしよう。
こんなことばかり考えていると、ダルい入学式などとっくに終わっていて、今は教室にいる。もちろん、担任の話など興味な~し。

シカト決定。

そりゃ、そうだ。学校の規則を1から全部読み上げているんだもん。
こんなの最後まで聞いてる訳ないじゃん。

と、ここまで聞いたら誰でも、私のことは『チャラい』この一言のイメージになるだろう。

だが、本当はそんなことはまったくなくて。
私の名は、春内 梨琉(はるのうち りる)。
もちろん、ドコにでもいるような、ちょっと派手なだけの普通のJKだ。

多分、『チャラい』という一言に当てはまっているのは、私の席の隣で、寝ている男だろう。
この男の名は夏崎 空雅(かざき くうが)だ。

この教室の中で、先生の話を聞いてないのは、私と空雅ともう2人いる。

秋木 昆汰(しゅうき こんた)
冬里 羅奈(とうざと らな)
だった!

「ねぇ、リルちゃん」

としゃべりかけてくれたのは、ラナちゃんだった。

「なんか、個性を1番に大切にとか言ってたから、こういう格好してきたんだけど思ったより浮いちゃって、他のみんなにしゃべりかけずらいんだ」

そう、今年の1年生はなんと、みんなで打ち合わせをしたかのように、マジメ系が揃っている。

「こんな私だけど仲良くしよっ」

勇気を出して近づいてきてくれた。私の返事はもちろん、
「うん。私も声かけづらかったんだ。よろしく」

と言った。そしたらラナちゃんは大喜びした。
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